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これまでの取引事例

購入編

※個人情報に配慮し、お客様の属性、具体的なエリア等は伏せさせていただきます。

ご要望

【地 域】 新宿区、文京区のうち山手線内側  【広 さ】 30坪(最低28坪)  【予 算】 6,000万円(坪単価200万円)
【その他】 日当たりが良い場所

ご希望のエリアを詳しく調べた結果、その地域の相場は安くて坪単価250万円から300万円でした。
お客様もそのことには理解があり、ご自身が車を使用しないため、車が入れない土地でも良いということでした。

物件自体がなかなか無いエリアなので、予算を度外視しても5、6件の情報しかなく、しかも価格は8,000万円以上の物件ばかり。
そこで、55坪以上の大き目の土地情報をあたり、旗竿状の土地として分割して欲しいと様々な売主側不動産会社に折衝を持ちかけました。

すると、なんと40坪で6,000万円!しかも駅徒歩1分!しかも整形地!うそだろう~!?という物件情報を得ました。
早速、その真偽を確かめるべく、現場に急行しました。

前面道路を見て、納得!なんとその道路は、階段状の私道でした。

早速、クライアントに連絡し、物件を見てもらったところ、即気に入っていただけました。
時間を置かずに売主側の業者に連絡し、表敬訪問のうえ、物件について様々な詳細を聞き取ると、下記の問題を除いては特段大きな問題もなく、売主と買主が双方で譲歩できるものであるということが分かり、契約に向けて大きく前進しました。


問題

その問題とは、以下の通りです

(1) 売主に私道の持分権がない

建築の際、第三者である道路持分権者から道路通行承諾と水道などのライフラインの掘削承諾書が必要となる。

(2) 隣接している土地に建築中の建物(通行掘削承諾を取得)があり、近隣住民との間で問題が頻発している

道路持分権者(約10名くらい)が新たな建築が建つことに対して強いアレルギーを持っている。

このような状況の中で承諾書を得るには相当の困難が予想され、もしかしたら拒絶されるかも知れません。
もし拒絶された場合、工事のために必要な車両通行承諾と道路掘削承諾を裁判で争い、勝ち取るしかありません。

売主側からすれば、そんな煩わしい手間を掛けずに現状のまま買って欲しいところですが、買主側の仲介業者である私の立場からすれば、そんなリスクをお客様に負わせる訳にはいきません。


結果

結果から申しますと、

売主側において通行掘削承諾を取るという契約を結ぶ(ただし、取れない場合は売買契約の解約ができるという条件)

案の定、ほとんどの道路持分地権者から拒絶される

引渡しを断続的に延長し、地元不動産業者の応援も取り付けながら、私と売主側仲介業者と共同で地権者を説得し続ける

説得と交渉の結果、最も多く道路持分を持つ地権者から売主が一部持分を買い取ることに成功。
その持分を無償で買主に引き渡すことで合意する

当初予定の引渡しから約半年延長のうえ、無事に引渡しをする

結果として、お客様(買主)にとっては一番良い形での引渡しとなりました。
持分権があることで、道路については今後わずらわしいことがなくなり、その不動産も「私道持分有り」の物件に生まれ変わって資産価値が増大しました。

成功した最大の要因は、売主側仲介業者との間で良い人間関係が築けたことです。

その方も粘り強く関係当事者と交渉してくださいましたが、途中では解約の申し出があるほど、通行掘削承諾を得ることは高いハードルでした。売主側の仲介業者からすれば、「この契約を解約し、承諾書を条件としない新たな買主を探すことが売主の利益にかなうことではないか」と一度や二度は考えたはずです。

しかし、不動産のプロである私は、この物件が買主である私のお客様にとって、かけがえのない物件であると認識していましたので、なんとしても解約だけは回避したいと考えていました。

通行掘削承諾を得るための働き掛けを続け、「これがダメなら、これで」と次なる手を打つことができたのも、売主側の不動産業者に買主サイドの思いが伝わり、共通の目的を持つことができたからだと思います。

お客様(買主)には過不足なく状況を説明して引渡しを待ってもらいましたが、この物件がご自身にとって価値が高いことを十分に理解されていたからこそ、お客様もこの長い交渉期間をお待ちくださったのではないかと思います。


引渡を終え、そこにはお客様が思い描いた建物が無事に完成しています。
また、そのときの売主側にいた業者の方とは、この取引がきっかけで、今でもよき仕事仲間としてお付き合いさせて頂く関係です。


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